放っておくほど危険、「承継の談合」

「承継の談合」と呼ばれる現象がある。
事業承継を話し合う必要があるにもかかわらず、
誰もそのことを言い出さない。
当事者の間に承継について触れることを避けようとする心理的な力が働くことを言う。

父親の死についての話に繋がるため、そのことに触れたくないという家族の思い、
財産の話になるため、貪欲と思われはしないか、という子供の恐れ、
平等な関係が保てなくなるのではないか、という兄弟間の恐れなど。

これらが事業承継について話すことを止める、心理的な要因になる。
そのため、父親(会長、社長、大株主、被相続人)もまだ大丈夫と思い込んでしまう。

世代交代の準備が進まず、相続が発生するときには
事業にとって好ましくない結果になるケースが多い。

事業承継を考えるときに、「承継の談合」が潜んでいることを
当事者全員が知っておかなければいけない。

世代交代の時に、後継者育成や相続税対策は重要な課題であるが、
後回しになりがちなのが次世代の株主構成の計画である。

誰が次世代オーナーとしての責任を持つのか、
叔父、叔母や、社員が持つ株を誰が引き継ぐのか、
こういったオーナー構成のプランニングは、
実行に長い時間が必要なため、
早い段階で話し合う必要がある。

ところが、ここにも「承継の談合」が働く。
例えば若い社長が、高齢の叔父、叔母に対して
株の話をしなければいけないと思いながらも、
「貪欲と思われはしないか?」という恐れから、
話を先延ばしにしてしまう。

時間がたつほど問題は複雑になり、
親族内の対立を生み出すことにもなる。
これが会社の寿命を縮めることにつながってくる。

ここにも、「ファミリー会議」を定期的に行うべき理由がある。
定期的なファミリー会議を通して、日ごろから、親族株主の間に、
ビジネスに対する強い決意と意思統一を
図っておく必要がある。

「誰も言い出せない」という状況に陥った時には、
客観的な立場の外部の専門家に
話し合いの場づくりを依頼する方法が効果的だ。

 

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