システムの視点で見る新たな経営論

ファミリー(家族)も、ビジネス(企業)も、それぞれが自立したシステムと見ることができますが、ファミリービジネス研究者の多くは、ファミリービジネスとは、ファミリー、ビジネス、オーナーシップをサブシステムとした、ひとつの大きなシステム、つまり「ファミリービジネスシステム」として捉えています。このように捉えることで、ファミリーとビジネスは互いに作用しあう要素であると説明することができます。

 

これはファミリービジネスの実態をより良く説明できる枠組みだと言えます。なぜなら、オーナー家が持つ文化や事業に対する思いは、ビジネスの成果に直接的、間接的に影響し、またビジネスの成果はオーナー家の考え方、心理状態から資産形成に至るまで、短期的、長期的に影響するものであり、互いに深く関係しあっているという実態は、ファミリーとビジネスを別々のシステムと捉えるだけでは理解できないものだからです。

 

ファミリービジネス研究以前の経営学では、ファミリーとビジネスをそれぞれ別個のものとして扱い、切り離して考えるべきものとしてきました。中小企業に助言するコンサルタントたちも、会社が成長するにしたがって、オーナー家の影響を排除すべきであるとアドバイスしてきました。

 

そのため、これまでのところ、オーナー経営者は非ファミリービジネスの経営法を手本にするしかありませんでした。これではファミリービジネスの強みを最大化する経営論は生まれてきません。

 

3円モデル(スリーサークルモデル)を「ファミリービジネスシステム」と見なすことで、ファミリービジネスのための新たな経営論が展開しはじめた、と言っても過言ではありません。

 

米国の経営学関係の学会誌のトップ10にランクインする『Family Business Review』というファミリービジネスに関する学会誌があります。毎年数十本の研究論文が発表されていますが、ほとんど全ての論文が、ファミリーとビジネスをサブシステムとする「ファミリービジネスシステム」の概念枠組みをベースにしたものです。

 

 

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